過去に受けた虐待-子どもが人身取引のターゲットに?
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過去に受けた虐待-子どもが人身取引のターゲットに?

子どもの人身取引は、しばしば「脆弱性の搾取」と表現されます。 人身取引という犯罪は誰もが被害者になる可能性があるのは事実ですが、子どもがグルーミング*されたり、人身取引の被害にあうリスクを高める要因があるのも事実です。


*グルーミング=性的な目的でことば巧みに18歳未満の子どもを手なずけて、心理的にコントロールする行為


おそらく最も危険要因の一つは、過去の性的虐待です。様々な資料によると、90%以上のケースで、子どもたちは知人など元々知っている人から危害を加えられています。 それは、年上の兄弟や遊び相手、家族、教師、コーチやインストラクター、ベビーシッター、他の子供の親などです。 [1]

また、家庭内暴力を目撃したり、受けたり、身体的・精神的なネグレクトを受けたりすることも、子どもの脆弱性を高め、人身取引の格好のターゲットとなります。

不安定な幼少期を過ごした子どもたちは安心や、愛情、友情、認められたいという思いにより強く敏感になります。

人身取引の加害者は、このような脆弱性に素早く気づき、友情を示し、受け入れ、愛情を与え、食料、衣服、安全な場所を約束します。 彼らの目的は、子どもとの信頼関係を築き、友人や家族から隔離してから少しずつコントロールし、搾取することです。



人の脳は20代半ばまで完全には発達しないことが脳科学の研究結果で分かっています。そのため、ほとんどの子どもたちは、人身取引の加害者による巧妙な策略や口車に乗せられ、自分の聞きたいと思うことを言われるうちに、正しい判断ができなくなるのです。


ですので、信頼できる大人と率直に話し合ったり、年齢に応じた啓発教材を使って教育を受けることで、しっかりと危険な状況に対処する知識を持っている子どもたちは、このような状況に対処する力がはるかに高いと言えます。


では、私たちに何ができるのでしょうか?


保護者はまず、自分の友人や家族の中の誰でも、女子でも男子でも被害者になる可能性があることを認識して頂きたいです。子どもたちと心を開いて定期的に話し合うことで、子どもたちが危険を認識し、友人や家族の中での不快な状況や発言、また不適切に触られたなどということが起きた時、トラブルになることを恐れずにいつでも保護者に相談することができる安心感を与えることが大切です。

次に、他の子どもたちにも気を配ることです。 身近な子どもたちと健全な関係を築くことで、何かあったときに信頼し、頼れる大人がいると伝えることが重要です。


また学校の教師の方はこのようなことを防ぐ上で重要な役割を担っており、子どもたちの生活や態度の変化、学校でのトラブル、休みがちな傾向、成績の低下、不適切な性の知識や発言など、子どもの変化を見抜くことができます。


このような行動に気づいたら、すぐにスクールカウンセラーに相談したり、実際の被害が判明した場合、最寄りの児童相談所やゾエ・ジャパンの人身取引相談窓口ホットライン(050-3185-3322)にまでご相談ください。



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