ロシアのウクライナ侵攻は多くの人の関心を集め、人間の持つ善と悪の両面性をあらわにしています。連日、殺戮と破壊のために苦しめられ、操られている人々の映像がテレビニュースや各メディアで流されています。 それとは対照的に、多くの人々がそれぞれの違いを乗り越えて、紛争から逃れてきた人々に安全な避難場所を提供するために、手を取り合っている様子も伺えます。
この戦争は人身取引の観点から見ても大きな懸念があります。 300万人を超える難民(今も増え続けています)のそのほとんどが弱い立場にある女性や子どもたちです。ポーランド警察はすでに、移動手段や避難場所を提供する善きサマリア人のふりをして女性や子どもに売春をさせ、借りを返済させる人に気をつけるようにと警告しています。[1]
戦争により絶体絶命の状況に置かれた親たちは、子どもたちを一人で他国に済む親戚の所に送り出しますが、子どもだけで異国の地で無事に親戚と落ち合うのはとても困難で、親戚に会う前に人身取引業者に連れ去られたりすることがあります。 [2] ボランティア団体などは、難民の緊急なニーズの対応に手一杯で、さらに安全上の懸念があるため、その対応に追われている状況です。
突然、異国の地で生活必需品もなく、愛する人と離れ離れになってしまった難民にとっては、援助を申し出てくれる人たちの善意を信じるしかないのです。
このような絶望的な状況で、誰が敵か味方かの区別がつくでしょうか?
人身取引はまさに脆弱性を利用した搾取であり、決して被害者のせいではありません。
そして、さらなる搾取の危険にさらされている何百万人ものウクライナ人に目を向けるとき、4千万人以上の男性、女性、子どもがすでに世界中で人身取引の犠牲になっていることを忘れてはならないのです。 その一人一人が自由を夢見、望み、祈っているのです。
今こそ、この闘いを傍観するのをやめる時です。
今こそ、声なき声の代弁者になる時です。
今こそ、神の武具を身につけ、人身取引との闘いに参加する時です。
私たちの心で。 声をあげて。 ひざまずいて。
出典
[1] https://www.dailymail.co.uk/news/article-10584105/More-1-5-MILLION-flee-Ukraine-police-warn-sex-traffickers-targeting-women-children.html
[2] https://www.theguardian.com/global-development/2022/mar/12/children-going-missing-amid-chaos-at-ukraine-border-report-aid-groups-refugees
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