「日本における少年の人身取引被害」とネット検索しても、ほとんどヒットしないでしょう。児童ポルノ禁止法や子どもにまつわる犯罪事件などは出てくるかもしれませんが、少年に特化したものはなかなか出てきません。
だからといって、日本の少年たちは、児童の性搾取の対象になっていないのでしょうか?実はそうではなく、2020年の人身取引報告書は、日本では様々な国籍の少年(日本人を含む)が性犯罪に遭っていることを明らかにしています。
「援助交際や様々なJKビジネスは犯罪組織と関わりがあることがあり、日本の少年少女たちの性的人身取引を助長しています。中国、韓国、ラオス、フィリピン、シンガポール、ベトナムの未成年者も、このような形態で性的搾取を受けていると報告されています。」- 2020年版TIPレポート
18歳未満の少年の人身取引は、非常に現実的な問題ですが、隠れた問題でもあります。
それにはおそらく、少年や男性が性犯罪の被害者になりうるという考え方が、社会にとってまだ新しい概念だからでしょう。日本の刑法が改正され、強姦被害者の定義に男性が含まれるようになったのは2017年とごく最近のことであり、少年や男性を商業的性的搾取の被害者として認識するには、おそらくまだ長い道のりがあると思われます。
では、少年たちはどのようにしてその罠に陥るのでしょうか?
一つは、オンラインゲームを通してです。加害者は、無邪気な少年たちをターゲットにして、同じ年代のプレイヤーになりすまし、偽のプロフィールを設定します。偽のプロフィールとメッセージのやり取りは非常に説得力があり、親でさえも、相手が本当に近所に住んでいる子どもであるかのようにいとも簡単に錯覚してしまいます。
子どもとの信頼関係を一旦築くと、LINEなどを使ってオフラインで話し合い、個人情報を聞き出したり、子どもを家族から引き離したりすることに取りかかります。子どもと直接会い、わいせつ行為をするケースもあります。また、子どもの性的好奇心を利用して、性的な写真や動画を送りつけ、同じように今度は子ども側から性的画像等を送るようにしつこく要求します。現実の世界で友達がいない子どもや寂しさを抱えた子は唯一できた話し相手、理解者を失いたくない思いから送ってしまうことも多く、応じない子どもには、送らなければその子や家族に不利になるような個人情報を持っていると脅したりします。
これは「デジタル性暴力」と呼ばれています。
米国ナショナル・センターのサイバーチップライン報告書の分析によると、2017年のデータには以下のような傾向が見られました。
「子どもたちが加害者と直接コミュニケーションを取っていた場合、少年(特に年長の少年)は、自身の、また加害者の性的なコンテンツを送受信し合ったり、加害者と直接会う予定を立てる傾向が高い。」
2021年、ゾエ・ジャパンは、日本の10代の少年たちを対象に、複数のキャンペーンを通じて、子どもの人身取引を防止する啓発・教育資料をツイッターを用いて積極的に配信しました。その結果、13~19歳の少年たちの反応が非常に大きく、多くの少年たちがホットラインや相談窓口に関する情報を求めて、ゾエ・ジャパンのアカウントや相談窓口のウェブページを訪れていました。このことから、米国と同様に日本でも、多くの少年たちがネット上で性的画像に関するトラブルに巻きこまれて困っている子たちがいるのではないかと認識しています。
ウェブサイトに訪れた少年たちはまだ実際に連絡を取るという段階には進んでいませんが、自分たちに起きたことは間違っていて、自分のせいではないことを理解する手助けができたと思っています。
皆さまも少年たちへの啓発活動をご支援できます!
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皆さまのご支援によって、加害者たちのゲームを終わらせ、一人でも多くの少年たちが守られます!
参考資料
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