相談者との関わりを通して

更新日:4月12日

親子の関係性

2022年に入り、継続的に未成年からの相談が入ってきています。一番若い相談者は13歳の中学生からの相談でした。

子どもたちのプライバシーと安全を守るため一つ一つのケースの詳細を語ることはできませんが、共通して言えることが一つあります。それは相談者の子どもたちが口を揃えて「親には言わないで欲しい」と私たちに必死に訴えることです。その思いの背景には「心配かけたくない」「失望されたくない」そして一番多い声が「迷惑をかけたくない」といったものです。それは親子の関係性が別に悪い家庭の子というわけではなく、親とは気軽に話せるし、愛されているという実感があるにも関わらず、このような甚大な被害を受けていて、助けが必要なことは絶対に言いたくないというのです。


ここに大きな鍵があると思います。子どもに愛情を普段から注ぐことはまず何よりも必要な関係性であり、親子の大事なコミュニケーションです。それと同時に忘れてはいけないことは「あなたは負担ではない」といったメッセージをしっかり伝えることです。子どもに手をかけられることは当たり前であり、親にとってそれは負担ではなく、子どものために何かできるという喜びでもあるのです。ですが、特に日本の文化に根強く残る、「人様に迷惑をかけてはいけない」という考え方を指針に行動することで、子どももこういった苦しい状況にあっても、「助けて」と声を上げる前に、「どんな迷惑をかけてしまうか」、「親にあきれられてしまう」などそういった心配をしてしまい保護につながらないといった悲しい結果につながっています。


子どもたちが被害に遭うきっかけの多くはSNSやネットで出会った知り合いや付き合った人を信用し、搾取の関係に引きずり込まれてしまうといったパターンが非常に多いため、子どもと日常的にコミュニケーションを取ること、スマホの使い方にルールを設けるなどの工夫と知恵が必要です。ですが、こういった親子のコミュニケーションの量を増やすだけではなく、その質にも目を止める必要があると思います。


「どんな友達がいるの?」

「学校生活はどう?」

「好きな人はいるの?」

など質問をしたり、

「大切な存在だよ」

「困ってることがあったら伝えて」

「あなたのことを気にかけている」

といった存在自体を肯定する言葉をかけてあげたり、世話をしたりやり取りすること、また子どものために必要なことをするのは迷惑ではなく、親としての勤めであり、喜びだというメッセージを普段から伝える意識をしてみることで親子の関係が大きく発展し、被害にあった子も告白し、助けを求めやすい関係性を持つことができるのではないかと考えさせられます。

私たち人間は持ちつ持たれつ存在しています。一人で生きていくことは不可能なのです。 「人様に迷惑をかけてはいけない」ではなく、「助け合えることが喜び」と思えるくらいの信頼関係、愛の関係が今の私たちの親子関係、そして各コミュニティーに求められているのではないでしょうか。