ありふれた光景 - 日本のポルノ
- Emba Allison
- 6月19日
- 読了時間: 3分

2012年秋、ゾエのボランティアがアメリカから観光で初めて日本を訪れたとき、彼女は近所のコンビニで成人向け雑誌の表紙を目にし、衝撃を受けた。その雑誌は、高い棚や店の片隅ではなく、暑さをしのぐために水やアイスクリームを買いに立ち寄った子どもたちを含め、誰の目にも触れる場所に陳列されていた。ポルノがいたるところにあり、簡単に手に入るものであるという事実に驚いた。
日本のポルノアダルト産業は550億円(約3億8000万ドル)以上と推定され、毎月4500本のポルノ映像が制作されている。アダルト・ポルノ画像はインターネット上で広く流通しており、その中には日本で急速に増加している児童性的虐待の配信も含まれている。
日本のポルノ産業を語る上で性的搾取の問題を避けて通ることはできないだろう。加害者も被害者も、周囲を行き交う人々をよく観察すれば、頻繁に目に入ってくる。ありふれた光景の中に。都市部の駅周辺では、AV業界のスカウトマンである若い男性(時には女性も)が若い女性に声をかけ、モデルや女優の世界でスターになるための仕事紹介とともに、女性の美しさを褒める。声をかけられた少女たちの多くがスカウトの誘いを断っているにもかかわらず、スカウトの執拗な勧誘によって、「モデル事務所」や「女優養成所」と謳われているところについて行ってしまうこともある。
若者がモデル事務所や女優養成所と呼ばれるところに到着すると、その事務所で働く契約を結ばされ、その実態はAV制作会社だったという被害者の証言をゾエ・ジャパンだけでなく、東京を拠点に活動するNPO法人は聞いている。さらに、敷地内でレイプされ、その暴行の様子を撮影されてネット配信されたり、被害者からさらに性的画像やビデオを脅し取ったりすることもある。
ポルノや性的搾取の被害者は、多くの場合、声を上げることが難しい。未成年の場合はなおさらである。その理由はさまざまで、どこに助けを求めればいいのかわからない、羞恥心を感じる、被害者本人に非がないにもかかわらず、被害を打ち明ければ、家族や友人から拒絶される、など考えていることが多い。また、日本の文化では、「迷惑をかけてはいけない」という概念が強く根付いているため、被害者であっても、家族に相談することも尻込みし、加害者である会社にも迷惑をかけることを恐れ、泣き寝入りすることもある。
あるAV業界の被害者は、AV業界が人権侵害の上に成り立っていることを強調する。日本のAV製作者は、搾取される児童、女性、男性の身体的、精神的健康、法的権利を考慮していない。さらに、多くのAV視聴者はその画像やビデオに出演している人々が積極的同意の上、制作されたものであるかどうか立ちどまって考えることはない。日本のAVは海外でも多く視聴されるため、これは日本のみならず国際的にも深刻な問題である。
ポルノと、その被害者への搾取と闘うために、私たちは何ができるのだろうか。私たちは、この困難な問題に対する認識を高めるための啓発資料を提供している。また、地域の学校などで、性的搾取の啓発活動も行い、18歳未満の児童については性的搾取の被害者である10代の若者の相談にも無料で応じている。
ポルノと性的搾取をめぐる問題への認識と、どこに助けを求めればよいかの情報源を知ることは、被害者を助け、支援するための力強い一歩となる。
参照
「日本のAV強要被害」(The Japan Reporter、2021年8月号)https://youtu.be/d3EpGTCpMkg?si=I3cPARuSdaGOF4TY
「Japan’s porn industry comes out of the shadows」(The Economist 2023年8月号)https://www.economist.com/asia/2023/08/19/japans-porn-industry-comes-out-of-the-shadows
Fight the new drug: https://fightthenewdrug.org/blog/
「East Asia’s pornography trade and abuse of human rights」(The East Asia Forum 2016年7月): https://eastasiaforum.org/2016/07/08/east-asias-pornography-trade-and-abuse-of-human-rights/
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