「うちの学校は大丈夫」が、いちばん危ない。――親として知っておきたい、子どもを性暴力から守る知識
- ゾエ・ジャパンスタッフ

- 6月21日
- 読了時間: 5分
更新日:7月9日
「うちの学校は大丈夫。そんなことが起きるはずがない」
教師によるわいせつ事件のニュースが流れるたび、心のどこかでそう思っていませんか。正直に言うと、私もずっと、そうでした。
でも、同じ子どもを持つ親として、あえてお伝えしたいのです。こうした事件は、どんな学校でも起こり得ます。そして、正しい知識と予防策がなければ、私たち大人は気づかないうちに「見過ごす側」になってしまうかもしれません。
実は、私の身近でも、公立中学校と私立女子高という全く違う環境で、2年連続して教師によるわいせつ事件が起きました。どちらも、生徒から信頼されていた男性教師でした。指導の名目でプライベートな連絡先を交換し、親密さを装いながら、少しずつ一線を越えていく――そんなケースだったそうです。

悲劇が残す「見えない傷」
事件の後、共通して浮かび上がってきたのは、「あの先生が、まさか」という周囲の深い混乱でした。
信頼されていたはずの「顔」:どちらの教師も生徒や保護者から人気があり、信頼されていました。管理職である校長先生でさえ「騙された」とショックを受けるほどだったのです。
見過ごされた「予兆」:一部の生徒からは「生徒と距離が近すぎる」「えこひいきがある」といった危うい評判も上がっていました。けれど、その小さなサインは「人気のある先生だから」という空気の中でかき消されてしまいました。
さらに深刻なのは、傷つくのが被害にあった生徒さんだけではない、ということです。信頼していた先生が加害者となったことで、周りの子どもたちまでもが「大人は信用できない」「次は自分がターゲットになるかもしれない」という、強烈な不信感と不安を抱えることになります。
本来いちばん安全であるはずの学校が、恐怖の場所に変わってしまう。その衝撃は子どもたちの心に計り知れない傷を残し、大人への警戒心や、人間関係に対する深いトラウマを植え付けてしまうのだと、親として改めて痛感しました。
緊急保護者会では、「先生を信じたい」と混乱する保護者の声も上がったそうです。そんな中、ある学校の校長先生は、毅然とこう断言しました。
「悪いのは加害者である教諭です。被害者には全く落ち度はありません」
被害者を守るこの姿勢こそ、大人が最初に示すべきものだと思います。
こうした事件が繰り返される背景には、学校関係者・保護者・そして子どもたち自身を含めた、私たち全員の「危機意識の不足」があります。そしてその根っこにあるのは、「どうすればいいか」という知識が足りていないこと、ただそれだけなのです。
1. 「よくあること」という言葉で、問題を小さくしていませんか?
私たちはつい、深刻な現実を「よくあること」という言葉で包み込んで、問題を少し軽く捉えてしまいがちです。でも、それでは根本的な解決にはなりません。
特に学校の現場では、「何が性暴力・虐待にあたるのか」「どう見極め、どう対処すべきか」という具体的な研修が足りていません。その結果、事実から目を背けてしまったり、無意識のうちに加害者をかばうような対応をしてしまったりすることがあるのです。
2. 大切なわが子を守るための「対処法」
危機を防ぐため、そして万が一のときに適切に対応するために、私たち親が知っておくべきことがあります。
もし、子どもから打ち明けられたら
まず何より大切なのは「傾聴」です。
親、学校関係者に 日頃から、子どもに伝えてほしいこと
子どもたち自身も、「グルーミング」と呼ばれる"手なずけ"の手口があることを知っておく必要があります。
「ノー」と言っていい:どんなに信頼している先生でも、おかしいと思ったら断っていいこと。
一人で抱え込まない:特にSNSのトラブルでは、怒られることを恐れて言えない子が多いものです。「何があってもあなたの味方だよ」と日頃から伝え、信頼できる大人へ相談する勇気を支えてあげてください。
あなたは大切な存在:性は、その人の命や尊厳そのものと深く関わっています。「あなたは大切な存在で、尊重され、守られるべき存在なんだよ」と普段から伝えておきましょう。人は、大切な宝物を粗末に扱ったりはしません。自分の尊厳を知ることは、「自分はどう扱われるべきか」を知ることにつながるのです。
3. 「沈黙」を破ろう
事件が繰り返されるのは、知識と教育の欠如、そして周囲の「沈黙」が原因です。
加害者の残酷さだけではありません。私たちが何もしないこと――その沈黙もまた、被害者を追い詰めてしまいます。
正しい情報を知ること。そして、声を上げること。
「あなたは一人じゃないよ」「あなたは悪くないよ」「あなたは大切な存在だよ」。
そう伝え続けていくことが、被害者を孤立から救い出し、子どもたちが安心して過ごせる学校を作るための、最初の一歩だと信じています。




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